Sakiko Akada


Illustration

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01
毎夜 だんだん 月のかたちは かわってゆきます。
プチはいつもそれを眺め、 見とれるのでした。
02
「おーい、これでどう?ぼくのこと、見えるようになった?」
プチは息を切らしながら 月に叫んだのですが、
「ううん、まだ見えないわー。」という声がかえってきました。
03
「おーい! いま 君の方へ走っているんだけど、ぼくのこと、見える?」
プチは こんどは 月のでているほうへ走る電車に飛びのり、
すこしでも 月に近づこうとしました。
04
しげみに落っこちたプチは、 寝そべって ただただ せつなく夜空をみつめました。
いつもより 暗くて とおい夜空です。
05
プチはふと 気づいたのです。
むこうの 高いエントツのさきっぽに 月がちょこんと くっついているではありませんか!
06
プチは ほんとうに がっかりして、
水たまりのわきにある きりかぶに ひとりさみしく こしかけました。
07
すると、 「ちがうちがう、そっちじゃないよ、水たまりを のぞいてみて!」
と また声はいうのです。
08
「ああ、 こんなに 近くにいただなんて。
ちっとも気づかずに 月のほうばかり 追いかけていたよ…」

Why cant't you see me?
(2005)
charcoal and pencil on paper
Story&Illustration by Sakiko Akada

「ぼくのこと見えないの、どうして?」
※一部抜粋 (2005)

Set of Images


 
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